アメリカの仮想通貨は今どのような規制になっているのか

アメリカの仮想通貨は今どのような規制になっているのか

「アメリカの仮想通貨規制ってどうなっているんだろう?」

「アメリカの仮想通貨規制で注目しておくべきポイントは何だろうか?」

仮想通貨投資を始めた方で、経済大国でもあるアメリカの仮想通貨規制について気になってはいないでしょうか?

アメリカの仮想通貨市場に与える影響は大きいことからも、世界各国の政府・金融機関等が注目しています。

中でも、仮想通貨規制に関する動向は市場の動向を見守る上で、非常に重要な要素となります。

そこで、アメリカの仮想通貨規制に関する概要から歴史、抑えておきたいポイント等について詳しくご紹介します。

アメリカの仮想通貨規制は、価格にも大きな影響を与えるので市場の乱高下等を事前に気づけます。

少しでも優位性のある投資を実践したい方はぜひ、参考にしてみてくださいね。

2020年最新!アメリカの仮想通貨に関する規制とは?

2020年現在、アメリカにおける仮想通貨規制はSEC(米国証券取引委員会)を筆頭に仮想通貨に関する大枠の規制を取り決めています。

金融大国であるアメリカは、フィンテック産業に力を入れていることもあり仮想通貨を取り巻く技術について前向きな姿勢を取っています。

実際、仮想通貨市場の主要通貨であるビットコイン取引高はシンガポールの1位に続いて、世界で2位にランクインしています。

今後、仮想通貨に関する取引やサービス、技術等が充実していくことからも、アメリカでの盛り上がりはますます強くなるでしょう。

ただし、アメリカ各州ごとによって仮想通貨に対する見方は様々で、肯定派・否定派に別れています。

というのも、アメリカでは各州に沿って法律や規制の枠組みを適用することが可能であるためです。

参照: Coinwriting.com

Coinwriting.comの分析によると、アメリカ50州における仮想通貨に関する法律や規制の対応について、「友好的「敵対的」「曖昧」「意見なし」の4種類ごとに分類されています。

調査からも分かるように、「友好的」な態度で仮想通貨の法律や規制が制定されている州は5つしかありません。

具体的な州は、

・ジョージア州

・アリゾナ州

・ネバダ州

・カリフォルニア州

・テキサス州

となります。

いずれの州で、オリジナルの規制を制定しており、ビットコインの取引や送金、マイニング等の規制が緩い傾向にあります。

例えば、ビットコイン取引におけるライセンス取得が不必要であったり、資金移動におけるやり取りをFinCEN(金融犯罪取締ネットワーク)に提出する必要がない等です。

一方、仮想通貨に対して「敵対的」な姿勢である州は、ニューヨーク州やワシントン州等です。

これらの州では、仮想通貨の取引をする際にライセンスの取得が必要となります。さらに、ニューヨーク州に関しては仮想通貨業社、トレーダーはFinCENに対して正式な登録義務も課せられています。

一般的に、アメリカにおける仮想通貨に対する姿勢は、規制機関の介入によって取り扱いも変わってきます。

先述したFinCENの場合、仮想通貨を合法とは見なしておらず、仮想通貨に関するビジネス/サービス等の記録は全て提出義務を課しています。

他方、SECにおいては2018年3月に仮想通貨を証券であると見なしました。

それゆえ、仮想通貨取引所や資産管理サービスであるウォレット会社に対して証券方が適用されています。

けれども、「仮想通貨が証券である」点に関しては反発もあります。

2018年には国際送金分野のフィンテック企業であるリップル社の発行する「XRP」の有価証券問題が取り沙汰されました。

リップル社とXRPの保有者の一部が、アメリカの証券法に抵触するかどうかについて裁判を行っており、判決は長引いています。

今後、規制の枠組みが固まり次第、リップル社の裁判も判決が出ることでしょう。

以上のように、アメリカ全土に対して執行力のある規制機関(FinCENやSEC)が、仮想通貨に対する最低限の取り決め・規制を行っています。

しかし、各州によって仮想通貨に対する姿勢は多様であり、州ごとで定めた規制に沿ったルールを遵守する必要があるのです。

目新しい産業であることからも各機関、各州の当局で議論が行われており、規制の内容が今後も変わっていくと捉えておきましょう。

アメリカにおける仮想通貨規制の流れをチェック!

次に、アメリカにおける仮想通貨の規制を時系列ごとで解説します。

年月事例
2013年3月米国財務特局によって、仮想通貨の送金・受け取りができるATMの運営をする者に対して厳格な規制が制定。
他にも、IRS(アメリカ合衆国歳入庁)による仮想通貨に関する監視が強化された。そのため、事業者・利用者は関連取引におけるデータ収集・報告が義務付けられることになった。
参照文献
2013年11月アメリカ議会における仮想通貨に関した議論が行われる。この際、議題は「シルクロードを越えて : 仮想通貨の潜在的リスク、脅威と有望性」と名付けられた。
ビットコインのオンライン支払いの利便性が語られる一方、犯罪目的の利用もあることが述べられた。
2014年3月IRSによってビットコインを資産として位置付ける。
また、ビットコインによる収入、及び、マイニングによって得た利益は課税対象になることを発表。
2018年2月SECとCFTC(米商品先物取引委員会))の両委員長が、連邦と各州によって監視体勢が曖昧であることを指摘。
仮想通貨市場に適した法規制を行い、市場の発展を促進する姿勢を示す。
2019年9月Bakktによるビットコイン現物先物が規制当局によって正式認可される。
アメリカ規制当局との揉み合いもあり、何度も延期が行われていた。
2020年3月「2020年仮想通貨法」の改訂案がアメリカ議会で再提出される。
・暗号証券・暗号通貨・暗号コモディティ
の3種類に分けられ、仮想通貨の大まかな特徴別で管轄組織による統治を目的とする。

仮想通貨に関する法令や規制は、国全体や州ごとによって随時、更新されています。

2018年段階では、国全体に影響を与えるSECやCFTCなどの機関と各州の規制における連携が取れていないことが説明されています。

それゆえ、2020年の制定を目標とした「2020年仮想通貨法」の草案作成に向けて議会が動いています。

表中でもご紹介した(2020年3月の項目)、3つの「暗号証券」「暗号通貨」「暗号コモディティ」は、それぞれ「SEC」「FinCEN」「CFTC」の管轄になります。

当局の管轄機関を明確化することで、規制の整備化が図られています。

仮想通貨のような前例のないデジタル資産ですので、包括的で、健全な市場促進を目的とした規制作りが期待されています。

アメリカの仮想通貨規制で重要な位置付けとなる機関とは?

仮想通貨の規制作りに関わる主要機関は主に3つとなります。

・SEC(米国証券取引委員会)

・CFTC(米商品先物取引委員会)

・FinCEN(米金融犯罪取締ネットワーク)

いずれの機関も今後、仮想通貨の規制作りを牽引する存在となります。

この章では、各機関の特徴について簡潔に解説します。

SEC(米国証券取引委員会)

SECは、1934年に設置された司法権限を持つ米国証券取引委員会のことです。

証券市場における投資家保護を目的として活動しており、公平な市場を築くことを目的としています。

よって、インサイダー取引や相場操縦などの監視・処分をする権限を有しており、世界中の金融機関の中でも影響力の強い機関と評されています。

暗号資産として取引が行われている仮想通貨に対しても、規制作りの筆頭となっています。

日本では、SECと同じような役割を担う証券取引等監視委員会が設置されていますが、金融庁の傘下機関であることから司法権は有していません。

CFTC(米商品先物取引委員会)

CFTCは、1974年に設置された先物取引を主に規制・監視する機関のことです。

先物、デリバティブ、スワップ取引における不正行為を阻止することを目的としています。

2007-2008年のリーマンショックのように不透明なデリバティブ商品による市場混乱を防ぐため、厳しい取り決めが行われています。

FinCEN(米金融犯罪取締ネットワーク)

FinCENは、1990年に設置された金融犯罪を取締るネットワーク機関です。

主に、犯罪組織やテロ組織によるマネーロンダリングの監視を行っており、取引や金融商品等のやり取りにおける膨大なデータ収集、解析を行っています。

仮想通貨に関しても、マネーフローが見える規制作りを進めており、健全な市場発展に貢献しています。

アメリカの規制問題と衝突?Facebook社の「リブラ問題」

SNS大手のFacebook社は、「リブラ」と呼ばれる仮想通貨の構想を発表しましたが規制当局との間で大きな衝突が起きています。

リブラの特徴として、

・価格変動が起きにくい

・国境を跨いで世界中の人々が利用できるグローバル通貨

・FacebookのSNSサービスと併用した金融サービスの提供

があります。

つまり、Facebook社のプラットフォーム上でリブラを使用をするのではなく、グローバル通貨としての役割も担える可能性があるのです。

ただし、リブラのローンチに対して議員やアメリカ規制当局の間では厳しい意見が出されています。

事実、2019年618日にはリブラ開発の開発停止がアメリカ議会によって要請されてしまいました。

理由として、プライバシー保護の観点やFacebook社が巨大化し過ぎる懸念です。

さらに、リブラの構想実現は、アメリカだけでなく各国の金融機関による連携も必要となります。

ユーザー管理、準備金、各国の規制に沿ったサービス提供など、リブラ構想を実現するためには難題が多いことも事実です。

上記の声のように、仕組み自体は素晴らしくても国が発行する法定通貨の価値が毀損されてしまう可能性があります。

他方、リブラの構想に対して将来的には明るいと考える意見もあります。

アメリカの法定通貨「ドル」は世界で最も流通していますが、金融緩和策による過剰流動性も問題視されています。

このような背景もあり、独自のデジタル化されたトークンの有用性に期待の目が向けられています。

アメリカと日本の仮想通貨規制に違いはあるのか?

最後に、アメリカと日本における仮想通貨規制の違いをご紹介します。

現在、アメリカではSEC/CFTC/FinCENを主導とした機関をベースに、州ごとの細かな法律に基づいた規制が設置施行されています。

とはいえ、徐々に統一性のある規制作りが進められており、仮想通貨への参入障壁が低くなっています。

反対に、日本では

・仮想通貨取引所

・匿名通貨

・ICO案件

への規制が強くなっています。

個人の仮想通貨取引における規則は原則的にありませんが、改正資金決済法に基づいた、取引所/販売所への厳しい規制が設けられています。

SNSでも呟かれているように、アメリカでは商用施設等での仮想通貨利用が進んでいます。

より柔軟な姿勢で仮想通貨を導入しており、市場促進のために適切な規制が施行されていると判断できます。

逆に、日本では仮想通貨に関して厳しい姿勢が取られており、取引できる銘柄数や利用できる商業施設等が少ないことが分かります

まとめ

今回は、アメリカの仮想通貨に関する規制について概要やこれまでの流れ、直近(2020年時点)の実例などを踏まえて解説しました。

アメリカは経済大国ということもあり、仮想通貨の良し悪しを明確にした上で柔軟な規制作りを行っていることが分かります。

2020年仮想通貨法のように規制内容の整備と各機関を配備することで、より明確で透明性のある法律作りが進められています。

事業者、利用者共に分かりやすい規制整備が進められており、今後は分かりやすくなっていくでしょう。

今後、日本もアメリカで取り入れられている規則等が参考になるかもしれません。その際、仮想通貨市場への影響も大きいので理解を深めておきましょう!