「ビットコインがよく暴落するけど、どんな理由があるんだろう?」
「今回のビットコイン暴落で損失が出たけど、全く暴落した理由が分からない」
こんなお悩みはないでしょうか?ビットコインは仮想通貨の中でももっとも取引量の多い銘柄で、取引高も高いですがボラティリティの激しい特徴があります。
中でも、様々な要因を背景に暴落が起きることは頻繁にあります。そこで、どうしてビットコインが暴落するかについて各項目ごとにご紹介します。
当記事を読むことで、暴落となるトリガー(理由)を把握して投資に役立てるはずです。ぜひ、最後までチェックしてみてくださいね。
反対に、ビットコインはなぜ急騰してしまうのか10個の理由の記事もあるので参考までに。
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ビットコインは大暴落した過去がある
まず、ビットコインの大暴落した過去についてご紹介します。言葉の定義が難しいですが、数百ドル程度の暴落は月単位で複数回発生する傾向があります。それに対して、1000$以上の大暴落は年に数回発生している特徴があります。
仮想通貨市場における大量の注文が解消(ロスカット)されるタイミングでもあり、非常に重要な局面となります。
最新の大暴落:2020年2月中旬〜2020年3月中旬にかけた大暴落

まず、上記の画像では日足ベースのBTC/USD価格を表示しています。2020年2/15付近の高値を超えられず、2020/3/15にかけて続落していることが分かります。驚くことに、当該期間中の暴落幅は6000$を上回る数値になっている。
特に、3/12における大暴落は一日に3000$以上の大暴落が発生しており、市場のフラッシュクラッシュが発生したと観測できます。
今回の大暴落となった要因は、複数あるとされています。
・コロナ危機による金融不安による投げ売り
・20億ドル相当の詐欺資金が売却されたこと
・仮想通貨デリバティブの精算
の3つが主要因であると市場関係者は分析しています。
当時、新型コロナウイルスが世界的に発生したことにより、株や債権、為替などの金融市場ではパニック売りが多発しました。多くの市場は急落し、ビットコインに関してもマクロ的な影響を強く受けたと推測できます。
また、プラストークンと呼ばれる詐欺コインのICOで集められた資金が大量に売却されたとされています。(犯人は既に捕まっている)
BTC/ETH/USDTなどの資金、およそ20億ドル相当となり、何者かによって(詐欺師の仲間と思われる)大量の仮想通貨が現金化されました。犯罪組織とはいえ、2000億円以上の現金化は市場に与える影響も甚大でしょう。
そして、3つめの要因は仮想通貨のデリバティブ取引における大量精算です。一連の大暴落に伴い、仮想通貨のデリバティブ取引を提供するBITMEXなどではトレーダーの保有していたポジション(買い方9:売り方1と言われている)が自動的に精算されました。
ロスカット価格になると自動執行されるシステムになっているため、大幅な続落によって大量のポジションが一気に解消されたと分析できます。
上記のように度々このような、歴史的大暴落が仮想通貨市場では発生しています。
ビットコインが暴落する要因とは?考えられる8つの理由を紹介
ここまで、実際に発生したビットコイン市場の大暴落と要因について解説しました。
続いて、ビットコインが暴落する理由についてより詳しく解説します。具体的には、以下の項目(7つ)となります。
・クジラ(大口投資家)による相場操縦
・相場の市場心理が一方向に加熱した場合
・マイナー減少による価格への影響
・世界的な仮想通貨への規制
・長期の時間軸による相場の転換点(下落トレンド)
・取引所等でのハッキング被害等
・ステーブルコイン 「テザー」の不正疑惑が明確になった場合
多様なシチュエーション下で暴落が発生するので、各項目についてチェックしてみましょう。
クジラ(大口投資家)による相場操縦
ビットコインを大量に保有していたり、大量の資金を用いて仮想通貨市場に参加する人々を通称「クジラ」と呼びます。
市場のパイが他市場と比べて小さい仮想通貨市場では、クジラの動向によって相場が大きく動きやすいです。
彼らの利益を出しやすい方向に相場が動きやすい傾向にあり、大量に保有していた仮想通貨が売却されることもあります。
例えば、クジラが大量保有しているビットコインの利益が十分に出たところで売却したとします。
この際、市場は暴落を起こしやすくなり、過度に売られることがあります。それと同時に、クジラが売られすぎたビットコインを買い戻す動きもあります。
高値で売り抜け、安値で買い戻す行動が取られることがあるので留意しておきましょう。
相場の市場心理が一方向に加熱した場合
仮想通貨市場における市場参加者の心理がネガティブになると、一気に売られる特徴があります。これは、相場の一方向への価格制限を設ける制度がないために起きやすくなっています。
株式市場であれば、買い方・売り方の取引制限を設けるためにストップ高・ストップ安と呼ばれるルールがあります。
ただし、仮想通貨市場にはそのようなルールがないために参加者の心理が相場に強く現れやすいです。
それゆえ、一日に数%〜数十%近い大幅な価格変動が発生してしまうと推測できます。
マイナー減少による価格への影響
仮想通貨の新規発行、取引承認を手助けするマイナーが減少することで、ビットコイン価格の下落圧力になり得ることがあります。
仮想通貨の仕組み上、マイナーの存在は必要不可欠なります。マイナーの利益がキープできないと、マイナーが増加することはありません。
さらに、マイナーが減ることで、ハッシュレート も下がってしまうため、新規のマイナーが参入する可能性が低下します。
これは、ハッシュレートの低下がマイニングに必要となる電気代コストや採掘用のコンピュータなどが高額になってしまうためです。結果として、マイナーの採算が取れなくなります。
また、一般的にはビットコイン半減期が起こるとマイナーの取り分も減少してしまいます。価格が上昇すれば問題ありませんが、半減期後に価格の下落が長引くとマイナーの利益が少なくなってしまいます。
つまり、マイナー報酬が黒字・赤字になるかの損益分岐点は、コンピュータや電気代、該当期間の相場価格によって決定されます。
予算のある大企業等でない限り、短期的な赤字に耐えられず撤退を余儀なくされてしまうのです。
マイナー撤退はビットコインのネットワーク維持も難しくなり、価格の下落圧力となり得るのです。
世界的な仮想通貨への規制
ビットコインやアルトコインなどの仮想通貨は、世界中で規制の動きが進んでいます。
仮想通貨に関する規制は、G7や世界経済フォーラム等で深く議論されているため、主要人物のネガティブな発言等によって暴落することもしばしあります。
概観としては、中国やインドでは仮想通貨の取引を全面的に禁止しています。ブロックチェーンの技術には着目していますが、規制の目が強いです。
仮想通貨市場暴落の発端となるのは、中国による影響が大きい傾向にあります。
他方、アメリカやEU諸国では仮想通貨に対して寛容的な姿勢を取っています。仮想通貨のリスクとなる点については、厳しい対策が施行されており、今後の発展が期待されていると判断できます。
気になる日本ですが、国内取引所は金融庁への正式な申請が必要になっています。
現状(2020年6月)、税率も高く、取り扱いのある仮想通貨も少ないですが、楽天やLINE、マネックス証券などが仮想通貨関連事業に乗り出しています。
各国の思惑は複雑ですが、仮想通貨、あるいはブロックチェーン技術の台頭に熱い目線が向けられているのは明確でしょう。
長期の時間軸による相場の転換点(下落トレンド)

2019年6月につけた13940$(高値)から、長期時間軸(日足)におけるチャートを元にしたテクニカル分析では下落トレンドが継続しています。
2020年6月時点では、2020年3月の10500$台を明確に上抜けすることができていません。最低でも、直近高値である10500$台の価格帯を切り上げることが期待されます。
そして、仮に上抜けた場合は13940$、2017年12月に達した19,000$-20,000$台を目指していくでしょう。
ただし、金融市場の不安定さからも上値抵抗線は重く、なかなか抜け出すことが難しい局面でもあります。長期の時間軸では、下落トレンドが続いていることを認識しておきたいです。
取引所等でのハッキング被害等
取引所によるハッキング被害や盗難事件は、仮想通貨市場の大きな暴落要因となります。
仮想通貨に関する初めての取引所ハッキング事件は、2011年6月のマウントゴックスです。仮想通貨取引所であったマウントゴックス社が、不正なアクセスによって顧客の個人情報を抜き取られてしまいました。
当時のビットコイン価格は、13$程度したが盗難事件後には1$台にまで下落してしまいました。
また、直近では2018年1月に日本の大手取引所であったコインチェックが580億円相当の仮想通貨(XEM)を持ち出されてしまいました。
仮想通貨市場がバブルを呈していたこともあり、短期間でビットコイン価格が50%以上も暴落しました。
ビットコインが盗難された訳ではなくても、多額の資金流出は大きな影響を与えたことが分かります。取引所におけるハッキング系の事件は、市場にとって強いネガティブ要因になることを把握しておきましょう。
ステーブルコイン 「テザー」の不正疑惑が明確になった場合
ビットコインとは直接関係ないですが、ステーブルコインであるテザー(USDT)
への疑念によって暴落が噂されることがあります。
テザーは、米ドルの価格と連動することによって価格変動を抑えることに成功している仮想通貨です。ステーブルコインの代表格として人気な通貨ですが、運営会社による不正があると疑われています。
問題となっているのは、運営会社であるテザー社(通貨名と同じ)が発行するテザーと同額の米ドルを準備金として保有していない点です。信用問題に関わり、同額の米ドルを保有していない場合は多くの利用者が取り付け騒ぎを起こすことでしょう。
加えて、テザーが発行されるタイミングがビットコイン価格急落の時であるという指摘もあります。考えられる意図は、ビットコイン価格が急落した際にテザーで買い付けを行うことで、上昇時に利益として売却する方法と説明できます。
不正疑惑は明らかにされていませんが、もし本当であれば市場の壊滅的な暴落が起こり得るでしょう(既に大量のテザーが流通しているため)。
まとめ
今回は、ビットコインの暴落について直近の事例や具体的な理由を幾つかご紹介しました。
ビットコインは、市場参加者や技術的な問題点、法律、相場のトレンド転換等が暴落の原因になっています。
ビットコインは突然、暴落することも少なくないので理由が分からずに慌ててしまう気持ちも分かります。ですが、多くの場合は上記の理由に当てはまる場合が多いです。
ビットコインの暴落要因を理解しておき、事前に暴落しそうな相場の雰囲気等を感じ取れるようになってみてくださいね。