

と、悩まれているかもしれません。
が、当記事では「ボリンジャーバンド」の基礎知識から具体的な設定方法、実践的な使い方まで詳しく解説します。
また、仮想通貨FX歴3年となる筆者がボリンジャーバンドを活用したビットコインのトレンド予測までご紹介。
最後まで読めば、ボリンジャーバンドを仮想通貨市場で使いこなすためのノウハウを身につけられますよ!
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仮想通貨に最適?「ボリンジャーバンド」の特徴について
ボリンジャーバンドは、今尚、テクニカルアナリストとして活躍するアメリカの「John Bollinger」氏によって考案されたトレンド系テクニカル分析です。
自身の名前の通り、ボリンジャーバンドは世界中の投資家やトレーダーに愛用されており、バンドをローソク足に挟むような形で分析ができる優れもの。
主な特徴としては、ボリンジャーバンドの基点となる移動平均線(価格への平均理)と予想される値動きを「バンド」から見当できます。
詳しいロジックとしては、移動平均線をベースとしており、「一定期間の値動きにおける平均値」を算出(上記画像、ピンク線が移動平均線)。
求めた値動きの平均値から次の価格変動(ボラティリティ)を推測するために、標準偏差(σ)を算出します。
標準偏差とは一定期間におけるデータのバラつきがどの程度かを示すもので、「σ」を使用。
ボリンジャーバンドの場合、標準偏差(σ)を「±1σ 〜 ±3σ」の範囲で設定することで、平均値(移動平均線で求めた)とどのぐらい乖離したボラティリティが発生するかを事前に予測できるのです。
ゆえに、ボリンジャーバンドを使用する際に強く意識したい点としては「σ」の設定値となります。
任意で使用する数値は異なりますが、仮想通貨市場のようにボラティテリティの激しい相場では標準偏差も広めに取りたいところ。
標準偏差は、下記表のようにおおよそ価格が収まる確率が理論化されています。
各標準偏差(σ) | 価格がバンド内で推移する確率 |
±1σ | 約68.3% |
±2σ | 約95.4% |
±3σ | 約99.7% |
したがって、バンド内で値動きが収まる可能性が高い標準偏差は、「±2σ以上」になることを把握しておきましょう。
ボリンジャーバンドの設定方法は難しい?一連の手順を解説
ところで、ボリンジャーバンドの設定方法については少しややこしく感じてしまう場合もあります。
表示させるバンドの数や期間の設定、見やすい仕様変更など、ボリンジャーバンドを使いこなすためにも設定方法を抑えておきましょう。
上記画像は、「TradingView」と呼ばれる高機能なチャート機能を備えたサイトのもの。
対象銘柄(画像ではビットコイン)のチャートを表示したら、「インジケーター&ストラテジー」と表記されている箇所をクリック。
「bb」と入力するとボリンジャーバンドが検索ヒットするので、クリックをして追加します。
この際、ボリンジャーバンドの標準偏差(σ)を幾つか使用するのであれば、追加で「BB」を入力しましょう。
上記画像では、3つのボリンジャーバンドを表示させており小さな値動きから大きな値動きまで想定した分析が可能です。
*上記の設定値はあくまで参考であり、相場環境によって使い分けるのが一般的です。
因みに、見ている時間軸によってボリンジャーバンドの設定期間は異なるもの。
上記画像では、「BB」の横に「20」と表記されており20日分の移動平均線から標準偏差を求めています。
このように、分析したい時間軸に応じて期間設定を行うためにも「設定」項目をクリックをして詳細な設定を行いましょう。
設定項目で特に重要な箇所は、「パラメーター」のタブを開くと表示される「期間」「標準偏差」です。
期間については決めた日数(上記画像では20日)を入力し、適宜、標準偏差を入力しましょう。
ボリンジャーバンドに標準偏差を示すことで、予想される値動きの大きさが分かるので「2〜3個」程は入れておくと良いでしょう。

ボリンジャーバンドを直接確認できる仮想通貨取引所もある。
チャート画面を見ながら取引が行えるので、リアルタイムで細かな分析が行える強みがアリ。
その他、テクニカル分析も使用できるから取引所のチャート画面飲みのでも、本格的な分析・取引ができるぞ!
詳しくは、「【損しない】仮想通貨のおすすめ海外取引所【2021年最新】」にて、仮想通貨取引所を紹介しているからチェックしてみてくれ。
意外と簡単!ボリンジャーバンドで仮想通貨市場を分析する方法
ボリンジャーバンドの基本的な特徴や設定方法について解説しましたが、ここでは具体的な分析方法についても触れます。
内容としては、
- ベースは移動平均線!1本の線からトレンドを把握する
- ボリンジャーバンドの縮小・拡大を意識する
- 強いトレンドにも対応できる「バンドウォーク」の発生も見極める
の3つであり、いずれも頻出のパターンに落とし込んだ分析方法。
一度頭に入れておけば、初心者の方でも使用していく中で徐々に使い方をマスターできるはずです!
下記、それぞれの項目を見てみましょう。
ベースは移動平均線!1本の線からトレンドを把握する
本来、ボリンジャーバンドは移動平均線を中心として予想される値動きの幅(ボラティリティ)を推測するもの。
ついついボリンジャーバンドの幅だけを見てしまいがちですが、中心に位置する移動平均線を確認することも重要です。
上記画像で示すように、赤線の移動平均線を見るとローソク足が上下に交差しているのが分かりますね。
過去の一定期間(このチャートでは20日)における平均価格を示すものであり、価格が赤線を前後しているのが分かります。
つまり、ボリンジャーバンドでトレンドの把握をする前に、シンプルに見て分かる「移動平均線とローソク足位置関係」を把握しましょう。
そうでなければ、ボリンジャーバンドは下方に拡大しているけど、移動平均線は上向きになっている(既に上昇のトレンド転換をしている)などの致命的な分析ミスをしてしまうことになりますよ。

ボリンジャーバンドって、複数のバンドでトレンド分析をするので「信頼性が高そう」と思ってしまいがちですよね。
実際、ボリンジャーバンドを学びたての筆者はバンドだけを見て分析していました。
しかし、ボリンジャーバンドの原理について理解を深めるうちに、まずは移動平均線とローソク足の位置によるトレンド確認。
それに続いて、バンドの動きからトレンドの収束・発生を分析する重要性に気づきました。
ボリンジャーバンドによる分析精度を高めるためにも、移動平均線による環境認識もしっかり行っておくのがおすすめですよ!
ボリンジャーバンドの縮小・拡大を意識する
ボリンジャーバンドの軸である「移動平均線」を確認後、バンドを構成する「σ」に着目します。
すると、ボリンジャーバンド全体が縮小・拡大している箇所が 出現します。
ボリンジャーバンドの縮小は「スクイーズ」と呼ばれ、拡大した場合は「エクスパンション」と呼ばれます。
一般論として、ボリンジャーバンドの縮小時はレンジ相場、あるいはトレンド発生の予兆となるサイン。
反対に、ボリンジャーバンドの拡大はトレンド発生中であり、トレンドが今後も継続すると考えられる現象です。
先述したように、「σ」の数値が高いほど「予想される価格変動の幅」も大きくなります。
ですが、バンド内に収まる確率も高くなるためボリンジャーバンドの縮小・拡大はエントリーや利益確定・損切りポイントとして見込みが高いです。
レンジ相場内における逆張り、トレンド発生時における順張り・逆張りなどの売買チャンスであると把握しておきましょう(詳しい実践的使い方は後述します)。
h3 強いトレンドにも対応できる「バンドウォーク」の発生も見極める
トレンドの継続・転換を見極める重要な標準偏差(σ)は「±2σ」とされていますが、バンドウォークは抑えておきたい知識の一つ。
バンドウォークは、ボリンジャーバンドが収縮した状態から「±2σ」に沿ってローソク足が推移する現象のことです。
バンドウォークが発生すると、力強いトレンドが発生していると判断可能。
バンドウォークを見つけられると、
- 価格が上昇し続けているから逆張り
- 価格が下落し続けているから逆張り
というような、安易な考えでエントリーしてしまうことを防げます。
さらに、順張りによるトレードも可能であるためエントリーチャンスとしても期待できる指標ですよ。
ボリンジャーバンドで実際にエントリーから利益確定するまで
「ボリンジャーバンドによる分析方法についておおよそ分かったけど、実践で使うにはまだ不安が残る…」
こんな状態に陥ってしまうのも分かります。
なんとなく頭で理解したつもりでも、自分の頭で考え、精度の高い分析まで落とし込めるようになるには時間が掛かるもの。
そこで、ボリンジャーバンドを活用した実践例をご紹介。
よくあるボリンジャーバンドによる「分析・エントリー手法」を確認してみてくださいね。
(パターン1)レンジ相場内での逆張り手法
ボリンジャーバンドの活用方法の一つに、「±1σ〜±2σ」を重点としたしたレンジ相場での売買があります。
上記画像のように、ボラティリティの低下とボリンジャーバンドの縮小は狙い目。
バンドの上限・下限を照準に逆張りによるエントリーで利益を狙いやすいです。
ただし、レンジ相場は次のトレンドへ向けた調整期間でもあります。
ゆえに、大きな値動きが発生することも踏まえて損切りポイントは事前に決めておきましょう。
とはいえ、レンジ相場は長い時間を経て行われるものであるため、短期間における売買ではもってこいの手法ですよ。
(パターン2)長期時間軸における逆張りで精度の高いエントリー手法
こちらは、長期時間軸におけるチャートでボリンジャーバンドを参考にした逆張り手法。
画像でも示しているように「日足」による長期時間軸での分析を前提とし、ボリンジャーバンドを活用しています。
その上で、エクスパンション発生による大幅な価格下落後、 ローソク足は−3σにタッチ。
長期の時間軸では、ボリンジャーバンドが効きやすいことからも「トレンド転換」の可能性も高まります。
ですから、ここで「買いエントリー」を行うことで下落から上昇へ向けたエントリーチャンスがあるということ。
事実、上記の画像からも分かるように直近の高値を更新して力強い上昇トレンドへと推移しましたね。
短期の時間軸では、価格の乱高下によりボリンジャーバンドが騙される場合もあります。
けれども、長期における分析では素直に価格が反応しやすいため、ボリンジャーバンドによる分析も功を奏しやすいのです。
(パターン3)エクスパンションでの順張りエントリー手法
ボリンジャーバンドの性質上、エクスパンションを活用した「順張り」はエントリーポイントを見つけやすい性質があります。
というのも、上記画像のようにレンジ相場でのスクイーズを確認後、大きな価格変動が発生。
上昇トレンドへ価格が動き出したタイミングは「エクスパンション」でもあるため、押し目を狙った「買いエントリー」で利益を狙えるのです。
加えて、「±2σ」に沿ってローソク足が推移するようなバンドウォークが発生している場合は、より確信を持った順張りもできますよね。(下降トレンドでも同様)。
いずれもボリンジャーバンドを当てはめて分析できる手法であり、各相場の状況に応じて判断できるようにしておくといいですよ!
(条件を重ねて判断する)ボリンジャーバンドの注意点と対策法
ボリンジャーバンドはトレンド系のテクニカル分析であるため、トレンドの発生や継続、転換ポイントを探るには最適な手法です。
されど、市場心理や価格データから「売買の過熱感」を正確に把握するのは向いていません。
それゆえ、トレンド系テクニカル分析の「ボリンジャーバンド」だけを見ていると急騰や急落に巻き込まれてしまうリスクもあり。
そんな弱点を補完するのが、売買の過熱感から相場分析を行う「オシレーター系テクニカル分析」。
なかでも、「RSI」や「ストキャスティクス」などの代表的なテクニカル分析があり、ボリンジャーバンドとの相性も良いです。
上記画像では、ボリンジャーバンドとRSIを併用した状態。
価格の下落と共に、ボリンジャーバンドは「−2σ〜−3σ」を推移しています。
そして、RSIも売られ過ぎの状態を示す下限ライン(30%)をタッチ。
ボリンジャーバンドのみの分析だと、「トレンドは継続する」と安易に判断してしまいがちですが、RSIを併用すると直近の価格に対して「売られ過ぎ」であると分かります。
すると、トレンド発生と同時に順張りをするのではなく、「RSIはトレンド転換の可能性を示唆しているから、少し様子を見てみる」という思考回路で相場に向き合えるのです。
現に、RSIは「ダイバージェンス」と呼ばれる価格とインジケーターの逆行現象が発生。
ボリンジャーバンドも移動平均線付近まで戻し、その後は高値更新へ向かう展開になりました。
以上のように、ボリンジャーバンド一つに頼るのではなく、信頼できるテクニカル分析を複数併用するのがおすすめです。
*下記、画像に関してはボリンジャーバンドの分析において「Twitter」を活用する方法について。
(2021年5月〜)ボリンジャーバンドを活用した中・長期におけるビットコイン市場の予測
最後に、ボリンジャーバンドを活用した「ビットコイン」における中・長期におけるトレンドの傾向について、筆者の分析をご紹介します。
この章を読む前に、前提としてトレンドを把握することが得意な「ボリンジャーバンド」であることを踏まえておきたいところ。
明確な数値を予想できるものではなく、大体予想できるトレンド傾向となります。
それでは、中期のビットコイントレンドについて、下図とセットで読み解いてみましょう。
中期的なビットコイントレンドとしては、「レンジ相場」を形成する見込みが高いです。
理由は、ボリンジャーバンドの下限ラインである「−3σ」を推移した後、反発。
しかしながら、直近の安値を下回っていることから、一旦の価格調整を挟んでいると考えられます。
今後、バンドの「−3σ〜+3σ」近辺を推移するようなレンジ相場が訪れると考えられ、その後におけるトレンドを見極めたいところ。
尚、全体的なトレンドとしては「上昇」していることから、レンジ相場による価格の揉み合いが終了した後は、上昇気配が強いと考えるのが一般的でしょう。
続いて、長期的なビットコイン相場の分析。
結果としては、強気の「上昇トレンド」が継続する可能性が高いと判明しました。
中期的なトレンド予想では「日足」をベースとしましたが、長期的な相場分析では「週足」を参考に。
ボリンジャーバンドで確認すると、異常なほど上限側にバンドが乖離していると分かります。
現在(2021年4月末)は調整を挟んでいますが、週足でのエクスパンションが発生していることに注目したいところ。
ちょうど移動平均線のラインまで価格調整しており、順張りの視点としては「買い場」と判断できますね。
ただ、「−σ」側のボリンジャーバンドにタッチすると本格的な下落トレンドも視野に入れる必要があるのも事実。
ボリンジャーバンドによるトレンド予測だけを過信せず、各指標を参考にした総合的な分析もご自身で行ってみてくださいね!
まとめ
今回は、仮想通貨市場でボリンジャーバンドを使いこなすための基礎知識から実践的なノウハウまで詳しく解説しました。
仮想通貨のように、トレンドの発生しやすい相場においてボリンジャーバンドは一定の効力を発揮します。
特に、高値更新を続けるビットコインのように「上昇トレンド」での順張りや押し目を狙った短期調整でのエントリーを探るのには有効的。
トレンド分析に特化している指標でもあるため、他の指標も参考に分析してみてくださいね。
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