

チャートを元とした、数多くのテクニカル分析手法がある中で「Cフォーク」を目にしたことのある人は少ないはず。
しかし近年、「Cフォーク」分析が機能しやすいという評判から多くのトレーダーによって取り入れられています。
かくいう筆者も、ビットコイントレーダーとして「Cフォーク」を愛用している一人。
この記事では、「Cフォーク」の特徴や分析手法の手順・見方、使用する上での注意点等について詳しく解説します。
最後まで読めば、トレーダーの視点で「Cフォーク」を使いこなすための基礎知識から実践的手法、応用的な考え方まで身に付くはず。
今のトレードスキルからより一歩前に進みたい方はぜひ、参考にしてみてくださいね!
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シンプルだけど強力なライン手法「Cフォーク」の特徴って?
「Cフォーク」は2本の線だけを用いてトレンド分析ができる手法。
上記画像(4時間足チャート)でも説明している通り、トレンドに沿った2本のトレンドラインを用いてるのを確認できますね。
これらの線を用いることで、トレンドの「ブレイク」「反発」を確認しながら、有利なエントリーポイントを探せます。
例えば、上記画像では「押し目」を作りながら主要なトレンドを形成しています(左側赤線)。
しかし、トレンドライン起点から2回目のの安値付近で下方ブレイクが発生。
ゆえに、割れてしまった値動きだけを見ると「トレンド転換」かと思いがち。
ところが、下落トレンドに転換するかに見せて、その後は価格が高値を更新しているのを確認できますよね。
この時、始めのトレンドラインを引いた起点から同じく、追加でトレンドラインをブレイクした安値に引いてみます。
すると、高値圏でサポートされるトレンドラインを引けますが、しばらくすると暴落が確認できます。
こうしたように、2本のトレンドラインを駆使する「Cフォーク」は細かなトレンドの変化を読むのが得意。
明確なトレンド転換(調整・反発含む)までほぼ完璧に探れるため、チャート分析における強い味方になるのです。
(トレンドと線を意識)「Cフォーク」分析を実践する具体的な方法について
先ほど、「Cフォーク」に関する特徴や簡易的な見方について解説しましたね。
とはいえ、実践的な使い方・各トレンドラインの考え方についてはより「チャートを見る力」が求められます。
それゆえ、この章では「Cフォーク」をこれから使っていきたいと考えている方に向けて分析手順を詳しい解説をします。
下記のように、
- 「トレンドライン」を用いて「上昇・下降トレンド」の認識を行う
- ブレイク確認から「新たなトレンドライン」を引く
- トレンドの反発・再ブレイクからエントリーを検討する
と、コツさえ掴めば、後は何度も相場で実践していくだけなので、自ずと分析精度も高まるはずですよ!
1,「トレンドライン」を用いて「上昇・下降トレンド」の認識を行う
まず、上昇・下降のトレンドラインを見つけることで、トレンドの認識を行っていきます。
上記画像は、4時間足チャートに着目したもので左側から「上値」を追った上昇トレンドであると分かりますね。
また、最高値付近に注目すると「赤線」のようなトレンドが引けます。
起点になる箇所とサポートされている箇所にトレンドラインがタッチしているため、信頼性が高いという判断もできます。
既にお気づきかもしれませんが、「Cフォーク」の基本は一般的なトレンドラインを引くことから始まっているのが分かりますね。
まずは、見るべきトレンドラインが「どれであるか?」を鮮明にしておきましょう。
2,ブレイク確認から「新たなトレンドライン」を引く
トレンドは永遠に続くことはありませんので、反対方向に「ブレイク」したポイントに着目します。
そして、ブレイク後の安値を目処に新たなトレンドラインを引きましょう。
上記画像では、先ほど引いたトレンドラインに対して下方ブレイクを確認。
暴落で更新した直近安値に対してトレンドラインを追加すると、「ブレイク」したトレンドラインに戻ろうとする「反発」を確認できますね。
この段階で、相場の方向性としては「下降」する雰囲気が濃厚になっています。
要するに、いち早く「買いポジション」の利益確定や空売りによる利益を狙えるチャンス到来ということになるでしょう。
3, トレンドの反発・再ブレイクからエントリーを検討する
最後に、ブレイク確認からのトレンドラインを追加後、反発・再ブレイクのタイミングでエントリーを検討していきます。
上記画像の「注目ポイント」でも表記されているように、オレンジ枠に箇所は「反発」「再ブレイク」となるポイント。
一度目の安値更新から価格が大きく動くタイミングであると、分かりますね。
もし、「反発」でエントリーを検討するなら、「上昇圧力が無くなっているっぽいし、”戻り売り”のチャンスだな」と判断可能。
他方、「ブレイク」であれば安値で止まったトレンドラインを割るため、下値を追う展開になると想定できます。
したがって、二箇所を目処にエントリーを検討できるということ。
補足として、「反発」「再ブレイク」の仮説が崩れるような値動きをした場合、エントリーを控えたり、損切りを行う必要がありますよ。

「Cフォーク」を直接引いて相場分析、取引するなら、「【損しない】仮想通貨のおすすめ海外取引所【2021年最新】」で紹介している取引所がおすすめ。
即座に信頼できる手法を用いてチャート分析が行えるので、分析精度を上げて、チャンスを逃さない取引が可能だ。
もちろん、主要なテクニカル分析も使用できるから短期〜中期での取引をしている人は必見だぞ!
「Cフォーク」で上昇・下降トレンドの転換点をエントリーしてみた結果(検証)
さて、この章では「Cフォーク」を活用したトレンド転換狙いの「エントリー事例」について紹介します。
ここまで読み進めてみて、なんとなく「Cフォーク」の使い方について分かった気がしてるかもしれません。
ですが、筆者の経験として「Cフォーク」は数多くのチャートを見るほど理解力がアップします。
各トレンドにおける転換点でのエントリー。
加えて、レンジ相場でエントリーした場合の事例も紹介するので、参考にしてみてください。
「Cフォーク」を発見した上昇トレンドで「ショート」してみた結果
上昇トレンドの確認からトレンド転換を予測した「売りエントリー」の見分け方について、ここでは見ていきます。
下記画像をご覧ください。
まずは主要トレンドの確認。
上昇トレンドがハッキリと出ているチャートであることが分かり、上記画像のように赤線を記しました。
より手前のローソク足も上昇を続けていることから、中期的な上昇トレンドが発生していることも分かりますね。
ただし、最高値を更新するタイミングで上値が重くなっていることも分かります。
上記画像を確認すると、1本目に引いたトレンドラインを下方ブレイクした上昇トレンドは安値を切り下げる展開に。
「Cフォーク」成立パターンになることを見越し、ここで2本目のトレンドラインを入れてみます。
もし、ここで強い反発が発生すれば上昇トレンドが継続するかもしれません。
けれども、オレンジ枠で示しているように反発の勢いは弱いまま小さなレンジ相場に。
このタイミングで、「売りエントリー」を持った場合、青枠のように約「21%」分もの下落を利益にできますね。
万が一、更なる下方ブレイクが「だまし」であった場合は「反発」の上限を更新したタイミングで損切りがベストになるでしょう。
「Cフォーク」を発見した下降トレンドで「ロング」してみた結果
「上昇トレンド」とは反対の「下降トレンド」における「Cフォーク」分析を見てみましょう。
上記画像の左側からは、全体的な軟調相場であり、かつ、下降トレンドが継続していると分かります。
ダラダラと持ち合い・下げの続く「下降トレンド」であるため転換点を探りにくいのが正直なところ。
されど、時間経過に伴って下降トレンドとして引いていたラインを「上抜け」したのを確認。
同時に、始めのトレンドラインに沿って新たな下降トレンドを引いてみます。
すると、一旦は反発をしてみたものの押し目となって再び、上値を更新する上昇が発生しましたね。
要するに、この場合におけるエントリーポイントは、2本目のトレンドラインを上抜けしたタイミングということになるでしょう。
仮に、反発が強いままで下値を追う値動きになった場合は損切りしてしまうのが賢明です。

普段は、「エリオット波動」や「フィボナッチ・リトレースメント」などの分析指標を活用している筆者。
そんな筆者が「Cフォーク」の有効性に気付き始めたのは、ビットコイントレード歴2年目の頃。
名前だけは知っていた手法でしたが、いざ使用してみると「トレンド転換」における信頼性がとても高いことを実感しました。
「トレンド転換したっぽいけど、まだ分からないな…」という難しい相場局面でも、「Cフォーク」を活用すればブレイク・反発を狙ったエントリーが行えますよ!
レンジ相場だけど機能する?「Cフォーク」をレンジ相場で活用したケース
「Cフォーク」はトレンド転換を狙う分析を得意としているため、レンジ相場単体では不向きな分析手法です。
ところが、見るべきポイントを絞れば「レンジ相場」が続いている値動きの反転ポイントを狙ったエントリーを狙えます。
一例として、下記画像では4時間足でのレンジ相場を形成している段階。
上下の価格レンジが徐々に狭まってきており、大きなレンジ相場を形成していることが分かりますね。
ただ、このチャートだけを見ただけでは「Cフォーク」を活用できるとは考えにくいところ。
そこでレンジ相場内のチャートを細かく見ていきましょう。
上記画像のように、「レンジ相場内における一時的な下落トレンド」に1本目のトレンドラインを引いてみます。
1本目に関しては、トレンドラインがちゃんと機能しているのが分かりますね。
また、後の値動きを追っていくと下降トレンドを上抜けする形に。
2本目のトレンドラインを更新した高値に引くも、最終的に上抜けしているのを確認。
結果として、レンジ上限までしっかりと上昇しており、4時間足での値動きになるため大きな利益になります。
尚、レンジ相場の形成は途中で気づくものですから、無理して「Cフォーク」分析によるエントリーをする必要はないでしょう。
仮想通貨市場で「Cフォーク」を用いる際のリスクと対策(愛用している筆者が語る)
先の章でも述べましたが、筆者は「エリオット波動」や「フィボナッチ・リトレースメント」などのテクニカル分析をメインで使用しています。
が、それらに加えて「Cフォーク」を導入した「トレンド転換」狙いのチャート分析も活用。
トレンドの見極めにおいて、絶大な信頼を寄せられる手法ではありますが、使用する上での懸念点もあります。
というのも、
- 長期的な相場では「Cフォーク」が機能しにくい
- 「Cフォーク」にも「だまし」がある
ということ。
下記にて、詳しい解説を行いますね。
長期的な相場では「Cフォーク」の出現が遅れる
長期時間軸でのトレンドラインを分析する「Cフォーク」は、出現が遅れる特徴がアリ。
これは、信頼性は高いものの長期時間軸での分析になるため確定的な「Cフォーク」と判断するには時間軸の経過を必要とするためです。
実際、下記の画像のように長期時間軸で「Cフォーク」を見てみましょう。
長期時間軸でのCフォーク分析を行うため、上記画像のように1本目のトレンドラインは長めになっています。
すると、2本目のトレンドラインを引く位置は最高値から随分下落した箇所になりますね。
この段階でほぼ断定的に「下落トレンド」への気配を強めているのが分かります。
どうしても「ブレイク」による順張りの「売り」サインは遅れて出てしまいがち。
無論、ブレイクサインに気付くのが遅れれば、その分だけ利益幅も小さくなります。
価格変動も大きいため、反発確認による最適な「売りポイント」を見つけるのはプロトレーダーでも難しいでしょう。
他方、短期時間軸で「Cフォーク」を確認した場合はどうでしょうか?
こちらは先ほどと同じチャートですが、1本目のトレンドラインをより小さな階層のトレンドラインに引いています。
トレンドを下方ブレイク後、更新した安値で2本目のトレンドラインを引けますね。
その後、直ぐに安値更新をするも反発によって戻されています。
しかし、下側のトレンドラインに何度もタッチしていることから、ブレイク直近であると判断可能。
より早く「下落」を察知し、「売り」ポジションを構築できる訳です。
ビットコインを始め、仮想通貨市場はトレンド転換における短期的な値動きが激しもの。
筆者の場合、「15分足」から「1時間足」で「Cフォーク」を活用しており、いち早くトレンド転換を読む手がかりにしていますよ。
「Cフォーク」にも「だまし」がある
「Cフォーク」には、強い反発によって2本目のトレンドラインをブレイクしない「だまし」がしばし発生します。
「Cフォーク」はトレンド転換を探る分析手法なので、「だまし」ということは「トレンド継続」と同じ意味。
上記画像では、「Cフォーク」発生による下落トレンドが期待される局面。
ところが、どうでしょうか?
強烈な下ヒゲを残したまま1本目のトレンドライン上まで回帰し、さらに上昇してしまいました。
すなわち、「Cフォーク」は「だまし」であって上昇トレンドは続いていたと分かります。
一つの分析(Cフォーク)だけに過信せず、ローソク足の形や出来高、他のテクニカル分析を併用するようにしましょう。
(2021年6月〜)Cフォークを活用してビットコイン市場を分析
最後に、「Cフォーク」を活用した場合における今後のトレンド分析(ビットコイン)について上昇・下落シナリオの両パターンでご紹介します。
*「Cフォーク」はトレンドを捉える分析手法であるため、具体的な価格帯まで予想できるものではありません。
価格推移までの予想は、「フィボナッチ・リトレースメント」などのテクニカル分析を併用するのが良いですよ!
それでは、下記画像による上昇シナリオを想定してみましょう。
2021年6月時点、「Cフォーク」による上昇シナリオへの鍵は日足レベルで続く「下降トレンド」に注目したいところ。
既に、下降トレンドを上抜けブレイクしており、現在は2本目の高値を更新できるか見所です。
(上昇シナリオの場合)押し目となる下落が発生していますが、トレンド転換による長期的な上昇シナリオに転換するか注目しましょう。
反対に、下落シナリオとなる場合は同じ「Cフォーク」を引いても違う捉え方が求められるでしょう。
上昇トレンドへの転換を示唆する形になっていますが、下への反発が強いため「だまし」になるかもしれません。
その場合、1本目のトレンドラインをそのまま下抜ける形となり長期的な下落相場を覚悟したいです。

「Cフォーク」を得意とする仮想通貨トレーダーの意見を参考にするのもおすすめ。
今回の分析は筆者によるものでしたが、Twitterを活用した「Cフォーク」分析について呟いている人をウォッチするのも良いでしょう。
筆者おすすめのユーザーさんは、「@AKUBI_TA氏」で「Cフォーク」による市況解説を行っています。
例えば、下記のように
下落トレンド入りと見ていますが、上がったり下がったりしながら下がると。で、Cフォーク🍴(黄色)がある。抜ければ上にスパイク、抜けなくても下にスパイク。大事なのは抜けても抜けなくても大局は下だということ🦭✨ pic.twitter.com/Vzbkdrv4Mh
— アクビ式テクニカル分析法🥱 (@AKUBI_TA) June 18, 2021
リアルタイムで「Cフォーク」分析を紹介されており、ご自身の分析と照らし合わせてみるのも良いですね!
まとめ
今回は、チャート分析でトレンド転換を探れる「Cフォーク」の解説を行いました。
乱高下の激しい仮想通貨市場において、トレンド転換をキッチリ把握するのは至難の技。
されど、「Cフォーク」を使いこなせればトレンド転換の危険性・チャンスを見つけられます。
他のテクニカル分析同様、「だまし」は起きますがトレンドラインを境に損切りが行いやすいのも強み。
「Cフォーク」を活用して、より確度を高めた売買方法を確立してみてくださいね!
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