仮想通貨における中国のこれまでと近況【チャイナマネー】

仮想通貨における中国のこれまでと近況【チャイナマネー】

当記事では、中国と仮想通貨の関係性について要点を絞って解説します。

「中国の仮想通貨事情に詳しくなりたい」

「中国の仮想通貨事情は複雑で、要点を掴みにくい」

こんな悩みはありませんか?

というのも、中国の仮想通貨に対する姿勢は複雑で規制が強いにも関わらず、テクノロジーに対しては注目されています。

当記事を読むことで、仮想通貨市場に大きな影響を与える中国の思惑を把握できるようになります。「仮想通貨×中国」に関する知識を身につけ、関連ニュースの理解を深めましょう。

中国による仮想通貨への影響を全体的にチェック

中国による仮想通貨への規制は強く、取引市場やペッグ通貨の取引高、法規制などに影響を与えています。

具体的に、中国の仮想通貨市場に与える影響を3つに分けて解説します。

・ICO/仮想通貨取引への規制

・中国人投資家によるテザー取引が急増

・暗号法の制定によるブロックチェーンへの関心

いずれも見逃せない重要事項ですので、チェックしてみましょう。

ICO/仮想通貨取引への規制

中国では、2017年9月からICO/仮想通貨取引への規制を強めることで、中国の法定通貨である人民元の流出を防ぐ方針にしました。

中国は世界的にも通貨管理に厳しく、仮想通貨の隆盛と共に人民元が市場で売られてしまう事態になっていました。

そのため、中国政府にとっては痛手となってしまうことから資金流出の原因となるICOの禁止や仮想通貨取引所の運営停止を決めました。

また、仮想通貨のマイニング事業は中国で大人気であることも有名です。
実に、マニング事業者の8割が中国本土で行われておりビットコイン等を報酬としてマイニングしています。

一時期は、マイニングに対する税制の優遇等もありましたが2018年1月には中国国内のマイナーにも撤退要請が出されました。

確かに、ビットコイン等の将来価値のある通貨を獲得できる資本力、土地的有利性(広大な土地、電気代など)を活かせることは強みです。

ではなぜ、中国国内のマイナーに撤退指示が出されたのでしょうか?
ズバリ、上記のICOや取引所への規制と同じく、仮想通貨取引において得た利益を国外で売却するためです。


マイニング環境は良好であっても、マイニングで獲得した仮想通貨の利益を国外に流出することは、中国政府にとって資本流出の痛手にしかならないのです。

こうして、勢いのあった中国の仮想通貨市場は衰退していきました。

とはいえ、中国人が完全に仮想通貨への投資やマイニングを行えなくなった訳ではありません。

運営場所を変えたり、ペッグ通貨建てで仮想通貨を取引するなど、法の抜け穴をついた方法が取られています。

中国人投資家によるテザー取引が急増

先述したように、中国国内の取引所で取引が行えない投資家は価格変動を抑えたペッグ通貨への関心を強めました。

特に、人気なペッグ通貨はテザー(USDT)と呼ばれるドルペッグの仮想通貨です。

ここで、下記のグラフをご覧ください。

参照

上記のグラフは、2020年7月における各仮想通貨の月間取引ボリュームを表したものです。

主要通貨であるビットコインを抜き、1位に踊りでている通貨が「テザー」です。

年々、テザーへの需要は増加しており中国人による積極的な売買が行われていると分析できます。

というのも、coinlibによる仮想通貨市場へのマネーフローについて分析をすると、興味深いデータがあります。

参照

画像上では、仮想通貨市場で流動しているテザーの行き先を示しています。

テザーの占める割合は、ドルや円、ユーロよりも膨大で、各アルトコインへ流れていることが分かりますね。

また、右下の円グラフではビットコインの取引ボリュームにおける各仮想通貨の割合を示しています。

ピンクの囲いにあるように、テザーがもっとも影響しています。

中国人の投資家やマイナーによるテザー建ての買い需要があると分析でき、仮想通貨市場に極めて大きな影響を与えていることが分かります。

補足として、中国国内で仮想通貨取引が禁止になっているのに、どのように売買できるか不思議ですよね。

これは、VPN(Virtual Private Network)を利用することで国外取引所経由の取引、あるいは、OTC取引(相対取引)が行えるためです。

法的には規制される対象でも、人民元と仮想通貨を交換でいるプロセスがあることから、中国からの取引を可能にしています。

暗号法の制定によるブロックチェーンへの関心

2020年1月1日、中国では暗号に関する管理や応用に関する制度化を進め、関連する産業発展のために「暗号法」を制定しました。

ビットコインなどの仮想通貨に直接適用される精度ではなく、ブロックチェーンなどの技術に着目して作られています。

上述したように、中国では2017年から仮想通貨に対して厳しい処置を行ってきました。

けれども、中国政府としては国家の損失に繋がる一般的な仮想通貨を排除することが目的でした。

実際、2019年10月24日に制定された「暗号法」と同日には、「デジタル人民元」の構想が打ち出されています。

要するに、中国人民銀行によって発行される中国独自のデジタル仮想通貨を指します。

デジタル人民元であれば、お金の流れをデジタル上でしっかりとトレースすることができます。

世界中での通貨覇権を争う背景もあり、中国ではデジタル人民元の実現に向けて動き出しているのです。

したがって、暗号法の制定は国家機密となるデータを保護する目的があるとも言われています。

中国発の取引所と現在の状況について

表向きでは統計が取れていませんが、中国では仮想通貨への人気は高いです。

そして、中国にも市場の黎明期から取引されてきた取引所があります。

以下、

・BTCC

・Huobi

・OKEx

の3つとなります。

以下の項目で、各取引所の概要と現在の状況について簡潔にご紹介します。

BTCC

BTCCは、ビットコイン取引が一部のコアユーザーに取引され始めた2011年に設立された取引所です。

創始者がライトコインの創始者の一人である「ボビー・リー氏」であることが意外な事実です。

2017年に中国政府による規制を受けたため、取引は一時停止となってしまいました。

その後、2018年6月にはイギリスに拠点を移して運営が再開されています。

Huobi

Huobiに関しても2013年に創業されており、仮想通貨の黎明期に誕生した取引所です。

独自のHTトークンを発行しており、取引できる銘柄数が豊富であったりレバレッジ取引が可能である魅力もあります。

創業時の拠点は北京でしたが、規制による取締が強くなったために2017年には香港へと拠点を移しました。

さらに同年、SBIホールディングスとの資本提携も締結しましたが、日本国内の仮想通貨規制が強化されたことで提携は中止となりました。

現在は、日本居住者向けの仮想通貨取引サービスは停止しており、香港・シンガポールに拠点を移しています。

OKEx

OKExは2014年に創業された老舗の仮想通貨取引所で、ユーザー利用数、取引量ともに世界トップクラスです。

ただし、規制の影響を受けて中国での仮想通貨事業を継続することが難しくなりました。

したがって、一度は香港に拠点を移しましたが、2019年には仮想通貨に寛容な法整備であるマルタ島(イタリア)を新たな拠点として運営しています。

【2020年最新】中国における仮想通貨の格付けランキング

CCID(中国産業情報技術省)は、中国の行政機関の一つでブロックチェーン技術を搭載している仮想通貨の格付けランキングを発表しました。

ランキングによると、中国産の仮想通貨が高く評価されていることが分かります。

上記の画像からも分かるように、EOS、TRON、ETHが上位3位にランクインしています。

また、LOST、LSK、NEOなど中国系の仮想通貨が上位にランクインしていることが分かります。

一方、時価総額がもっとも大きいBTCは12位、主要アルトコインの一つであるXRPは14位に位置しています。

以上のように、CCIDではブロックチェーンの技術を参考に独自の基準でランキングを行っています。

【今後】中国による仮想通貨への思惑とは?

中国首都、北京では政府肝いりでブロックチェーン技術に関する研究開発を進める行動計画を発表しました。

計画期間は2020-2022年を想定しており、政府や企業におけるデータ共有や認証において積極的にブロックチェーン技術を導入していく予定です。

ゆくゆくは、インフラ構築や公共サービス等の拡充を目的としていることから、ブロックチェーン技術への関心が強まっています。

ファンドの立ち上げや北京以外にも各自治体でブロックチェーンへの研究開発は進んでおり、独自のデジタル通貨発行などに関わりがあると推測できますね。

まとめ

今回は、中国における仮想通貨事情において抑えておきたい重要ポイントをご紹介しました。

中国政府は、ビットコイン等の取引に関して国益の観点から厳しい立場をとってきました。

そのため、多くの中国人投資家はテザーなどを用いて合法的に取引を行っています。

中国の市場に与える影響は大きく、今後の規制や動向によっては仮想通貨を取り巻く環境に大きな変化が見られるでしょう。

ご紹介した要点を把握しておき、仮想通貨への投資に役立てくださいね!