当記事を訪れたあなたは、一度くらい「マグカップのようなチャート」を見かけたことがあるかもしれません。
「カップウィズハンドル」は、仮想通貨のように強いトレンドが発生するチャートで頻出する傾向がアリ。
そんな「カップウィズハンドル」について、当記事では詳しく解説します。
読み終えた頃には、「カップウィズハンドル」を用いて利益を狙うための分析ノウハウが身に付くはず。
ビットコインFX歴3年となる筆者もよく見るチャート形状で、使いどころや注意点もセットでご紹介しますね!
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仮想通貨FXで頻出?「カップウィズハンドル」の特徴を解説
ズバリ、「カップウィズハンドル」は上記画像のようにトレンド発生・継続の起点となるチャートパターン。
カップのような丸みを帯びたチャート形状と、ハンドル部分(画像右側の丸みを帯びた箇所)がセットで出現します。
特に、カップ部分はソーサーボトムと呼ばれ、お皿のように下値を固めながら推移する特徴がアリ。
見るべきポイントとしては、ネックライン(黄色線)と呼ばれる「カップウィズハンドル」の上限ライン。
価格が抑えられているネックラインを突破すると、力強く上昇する傾向があるのです。
こうしたことから、「カップウィズハンドル」は、トレンドの発生や継続を決定的にするもの。
上手にエントリーできれば、大きな利益を狙える強みもありますよ!
*尚、カップウィズハンドルは下降トレンドで出現するパターンもあります。
詳しくは、下記のタブを開いてチェックしてみてくださいね。
カップウィズハンドルが形成される市場心理を探ってみよう
「カップウィズハンドル」に関する特徴について紹介しましたが、なぜこのような形状になるのでしょうか?
そんな疑問にお答えすべく、この章では「カップウィズハンドル」が出現する市場心理について理解を深めてみましょう。
早速の結論ですが、「カップウィズハンドル」が出現する本質は
- 買い集め
- ふるい落とし
- 利益確定を狙ったトレンド発生
を行うため。
下記の画像をご覧ください。
上記画像では、黄色枠部分のカップ部分で「買い集め」と「ふるい落とし」を行っています。
買い集めとは、大口の投資家や常勝トレーダーなどによる「買い」が進むこと。
他方、「ふるい落とし」ではカップを形成する際の大幅な下落やレンジ相場で高値圏の買い玉を損切りさせること。
誰かが「損切り」したということは価格が下落し、その際に「買い集め」が行えますよね。
そして、最後の「買い集め&ふるい落とし」がハンドル部分で行われることに。
ここでは、カップ部分から価格上昇して「飛び付き買い」をしたトレーダーが一定数います。
ですから、ネックラインの上限で買ってしまったトレーダのポジションを解消させる小幅な下落が発生。
ふるい落とされたポジションは、買いたいトレーダーによって購入されるのです(買い集め)。
カップ部分と比較すると小さいですが、押し目を形成しながらトレンド発生の最終局面に向かっていくのです。
カップウィズハンドルを形成後、最終的に「買い圧力」が強まったため力強く上昇。
一定の上昇後は、大口投資家をはじめとする安値圏で保有していたトレーダーの利益確定が進むのです。
一連の市場心理から分かるのは、トレンドは一直線かつ、短期的に形成されることは少ないこと。
時間を掛けて徐々に下値を固めることで、緩やかなトレンドが発生する流れが分かりますね。
反対に、押し目や戻り高値を付けずにトレンドが発生した場合は短期的な「値動きのだまし」であると考えておきましょう。
その点、カップウィズハンドルは明確なチャート形状で出現するので、見分けがつきやすいですね!
カップウィズハンドルを活用したトレード事例を詳しく紹介!(ビットコインチャートで解説)
さて、ここまで「カップウィズハンドル」の基本的な特徴について解説してきました。
この章では、「カップウィズハンドル」を活用したトレード事例をご紹介します。
具体的には、
- ハンドル部分の押し目で「買い」エントリーを行う手法
- ラインブレイク確認後に「順張り」の「買い」エントリー
- ダブルトップも考慮?短期的な「売り」エントリーを入れる場合
と、エントリー位置によって利益をしっかり狙えるチャートパターンです。
ぜひ押さえてみてくださいね!
ハンドル部分の押し目で「買い」エントリーを行う手法
「カップウィズハンドル」初心者の方でも見抜きやすいのが、ハンドル部分の形状。
「買い」でのエントリーは利益を狙いやすく、押し目を狙ったエントリーができます。
エントリーまでの考え方としては、カップ形状が形成されるのを確認。
その後、下落をするもカップ部分の半値付近で下落が止まった場合です。
しばらくして上昇への気配が強まった場合、「押し目」狙いの買いエントリーを入れてみましょう。

ラインブレイク確認後に「順張り」の「買い」エントリー
続いてのエントリーチャンスになるのが、ラインブレイク後にポジションを保有する方法。
上記画像の黄色枠のように、「カップウィズハンドル」の上抜け成功後にポジションを保有します。
「レジサポ転換」や「リターンムーブ」とも呼ばれており、価格ブレイク後に転換点を探る動きを見せます。
ブレイクラインにタッチする場合も多く、そうしたポイントでエントリーするのがおすすめ。
明確なトレンド発生でエントリーできるため、慌てずにポジションを構築できる強みがありますよ!
ダブルトップも考慮?短期的な「売り」エントリーを入れる場合
最後に、ダブルトップ(2番天井)も考慮に入れた「売りエントリー」の手法があります。
「カップウィズハンドル」は、トレンドに沿った順張りエントリーを得意とします。
けれども、「カップウィズハンドル」を形成する価格のボラティリティは大きい特徴もあります。
さらに、カップを形成する最終付近とハンドルを形成する箇所は「ダブルトップ(2番天井)」になる可能性も。
短期的であれ、「売り」によるエントリーで利益を狙いやすいポイントになるのです。
トレンドが終了した場合、ダブルトップによる本格的な下落が起きるので利益も伸ばせますね。
*下落トレンドにおける「カップウィズハンドル」形成時は、ダブルボトムによる「買い」エントリーも狙いやすい箇所です。

既に気づいているかもしれないが、記事内で紹介しているチャートには「RSI」というテクニカル指標も活用している。
「Trading View」という高機能なチャートを使用しており、多種多様な分析ツールを使用できるんだ。
「【損しない】仮想通貨のおすすめ海外取引所【2021年最新】」では、「Trading View」のチャート画面を見て取引できる取引所について紹介している!
その他、取扱銘柄や取引手数料の観点から詳しくおすすめな取引所を紹介しているから、チェックしてみて欲しい。
カップウィズハンドルを使用する際の注意点と対策
「カップウィズハンドル」は、活用する上で注意すべき点があり、押さえておかないと損失を被る可能性もあります。
そこで、よくある落とし穴と対策について解説します。
ついつい陥ってしまう点に厳選したので、チェックしておきましょう。
「カップウィズハンドル」だけに注目してトレードしてしまう
カップウィズハンドルだけに注目したトレードは、チャートだけを見た分析と同義でもあります。
トレンドの方向性や売買の強弱感を掴めないことからも、チャートだけを見る分析は誤判断も起きがち。
例えば、上記画像だけをみると「カップウィズハンドル」が形成されているかのようにも見えますね。
実際、ラインブレイク後には少しだけ価格上昇をしています。
ところが、その後のチャートを見ると大きく下落してしまっているのが分かるでしょう。
実は、事前にトレンド分析とオシレーター系テクニカル分析を取り入れると「下落」を予知できました。
こちらは先ほどと同じ画像ですが、下記にオシレーター系テクニカル分析である「RSI」を活用したもの。
また、トレンド分析をすると長期時間軸で上昇トレンドが発生していると分かります。
されど、売買の強弱を「30-70」の間を目安として分析する「RSI」は、「ダイバージェンス」を示しています。
ダイバージェンスとは、トレンドの勢いが弱まっていることを示す「RSI」の指標。
価格は上昇しているのに、黄色線のようにRSIが下落しているのが分かりますね。
つまり、上昇トレンドの転換が近いことを示しており、「カップウィズハンドル」だけでは察知できないことが分かりますね。
尚、RSIに関する詳しい解説は「【現役トレーダー解説】仮想通貨でRSIを使ってチャートを予測する方法」にて解説していますよ!
「ダブルトップ」に類似するチャートパターンでもある
「カップウィズハンドル」は、ダブルトップに類似するチャートパターンでもあります。
そのため、ダブルトップを形成してしまった場合は高値圏でエントリーしてしまうことに。
その後、大幅な価格下落が起きるので含み損も膨らんでしまうでしょう。
よくあるパターンとしては、カップ形成後にハンドルを作ると想定した時。
上記画像のように、ハンドル形成に見せかけてそのまま価格が下落してしまうことがあるのです。
ダブルトップか否かの判断方法としては、ネックラインまでカップの右端が到達しているか確認すること。
高値と同じ箇所で、価格が反発した場合はハンドルを形成して上抜けすると期待できるでしょう。
ダブルトップの場合、直近高値より少し低い位置で跳ね返される傾向が強いので、慎重に分析しましょう。
因みに、「フィボナッチリトレースメント」を活用すれば、ダブルトップで意識される価格帯も分かりますよ!
こちら、「【自然界の法則】仮想通貨(ビットコイン )をフィボナッチで価格予測する方法」も参考にしてみてくださいね。
エントリーポイント次第では大きな含み損を抱えやすい
「カップウィズハンドル」を活用したエントリーをする際、どこでポジションを構築するかは非常に重要。
一般的に、
- カップのボトム(ソーサーボトム)
- ハンドルの下値付近
でポジションを保有できたら理想的ですよね。
されど、短期的な「値動きのだまし」やネックラインの上限ラインでエントリーしてしまうと痛い目に遭うでしょう。
下記画像をご覧ください。
上記画像の青色枠で囲った部分は、カップを完成するための急騰に見えますね。
「置いてかれたくない!」と早計な判断でエントリーしてしまった場合、飛びつき買いをしてしまいがちなポイント。
ですが、その後は急落によって「6,444ドル」も暴落しています(急騰した価格の値幅も同じぐらいですが)。
こうした「だまし」に翻弄されてしまうと、損切りを重ねたりポジポジ病になってしまいます。
あくまで「押し目」を狙ったエントリーを心掛けるようにしてくださいね!
*ポジポジ病とは、明確なエントリーサインなしに感覚的なトレードをしてしまうこと。
「カップウィズハンドル」を活用した今後のビットコイン市場を予測(2021年7月〜)
最後に、「カップウィズハンドル」を活用したビットコイン市場の分析と今後の予測についてご紹介します。
まず、2021年7月時点で分かることは日足の長期時間軸で「下降トレンド」が発生していること。
上記のチャート画像からも分かる通り、 カップを形成したものの、ハンドルは形成せずに。
結果、「ダブルトップ」となってしまいました。
その後、価格は大幅に下落したことで下降トレンドへの転換が明白となりました。
そして、現在(2021年7月)は「30,000ドル付近」でビットコインが推移。
画像の通り、小幅な価格推移でローソク足が形成されていますが、徐々に「カップウィズハンドル」の形に近づいています。
要するに、売り目線が強い投資家が多く、トレンドとしては弱気の「下降トレンド」が続いていると分析できますね。
一見、レンジ相場にも見える展開ですが、一度でも大きなトレンドが発生すると「暴落」が発生すると考えられるでしょう。
その場合、2018年初旬にかけて到達した「19,647ドル」付近まで到達するかもしれません。
というのも、一連の上昇によって前回高値の「19,647ドル」を上抜ける展開に。
ところが、サポートラインとして価格が反発することがないまま上昇してしまいました。
それゆえ、今回の「カップウィズハンドル」による下落で、上昇トレンド継続に向けた下値固めが行われるかもしれませんね!
ボラティリティが大きくなると想定されるので、資金管理や損切りなどの「守りの姿勢」も固めていくのが賢明ですね。
まとめ
今回は、上昇トレンドでしばし形成される「カップウィズハンドル」について詳しい解説をしました。
マグカップのようなチャート形状であるため、トレンド発生時であれば見分けやすいメリットがあります。
活用方法としては、記事内で解説したように絞ってエントリーするのがおすすめ。
押し目となる価格帯でエントリーできれば、しっかり利益を狙うことができるはずですよ!
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カップウィズハンドル→ | エリオット波動→ | フィボナッチ分析→ |
プライスアクション→ | ウィリアムズアリゲーター→ | 上昇/下降ウェッジ→ |
ヘッドアンドショルダー→ | ハーモニックパターン→ | Cフォーク→ |
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チャートパターンから分析する「カップウィズハンドル」は、分かりやすいサインが出やすいもの。
されど、確証を持って「押し目」と判断できる訳ではないですよね。
実際、筆者もハンドル部分だと思ってエントリーしたら続落してしまったこともあります。
ゆえに、対策としては全体のトレンド確認や他のテクニカル分析を併用するのがおすすめ。
グッと、精度を高めたエントリーができるようになりますよ!