「ハーモニックパターン」について徹底解説!きっと、基本を押さえて使いこなせるようになるはずですよ!


なんて感じで、ビットコインFXなどで「ハーモニックパターン」を用いた分析手法を活用してみたいですよね。
筆者もその一人で、従来から主流の分析手法である「フィボナッチリトレースメント」をよりチャートパターンに落とし込んだ「ハーモニックパターン」は相場の重要局面で活用しています。
そこで、この記事では「ハーモニックパターン」に関する基本的な特徴から使い方、代表的な種類、さらには今後のビットコイン分析まで解説。
最後まで読めば、「ハーモニックパターン」の概要を理解できるのはもちろん、実践的なノウハウまで習得できるはずですよ!
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既存の分析手法を補強する役割?ハーモニックパターンの特徴と性質
ここでは、「ハーモニックパターン」に関する特徴や使用する上でのメリット・デメリットについてご紹介します。
具体的には、
- (歴史の浅い手法?)ハーモニックパターンの特徴と密かに人気な理由
- フィボナッチを活用した高精度な分析!ハーモニックパターンを使用するメリット
- 慣れるまで時間を要する?ハーモニックパターンを使用する上でのデメリット
と、どういう相場で強みを活かせたり、あるいは弱点となってしまうか等についてもチェックしてみてくださいね。
(歴史の浅い手法?)ハーモニックパターンの特徴と密かに人気な理由
「ハーモニックパターン」とは、「フィボナッチリトレースメント」による比率をさらに分析することでトレンド転換点をみつける分析手法のこと。
「ハーモニック」は黄金比率による”調和”、「パターン」はハーモニックに基づくチャートの”型”をそれぞれ意味しています。
ここで「そもそもフィボナッチリトレースメントってそもそもなに?」と思ったかもしれませんのでここでは簡単に説明しますね。
「フィボナッチリトレースメント」とはフィボナッチ数列を相場分析に当てはめたもの。フィボナッチ数列は黄金比の数列となっています。
この黄金比とは、「1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89…」のように隣り合う数字の比率が「1:1.618」に近づくことで、人間が美しいと感じる幾何学的比率になること。
相場分析においては美しいと感じる価格帯が黄金比ですね。
つまり、「市場参加者が美しいと感じる価格帯」を黄金比の数列で発見する分析手法が「フィボナッチリトレースメント」であると言い換えることができます。
また、「市場参加者が美しい感じる価格帯」はとても意識されやすい価格帯でもあります。
したがって、「ハーモニックパターン」とはフィボナッチリトレースメントによって市場参加者に意識される価格の転換点から、一連のチャートパターン(型)を編み出したものとなっています。
分析手法としては歴史が浅く、海外から伝播したことからも国内投資家・トレーダーの間では一部の人のみが使用してきました。
ところが、最近では「ハーモニックパターン」の分析精度が評価されていることから、多くの人々が利用するようになっているのです。
*フィボナッチリトレースメントに関する詳しい解説は「【自然界の法則】仮想通貨(ビットコイン )をフィボナッチで価格予測する方法」にて行なっているので、合わせて読んでみてくださいね!
フィボナッチを活用した高精度な分析!ハーモニックパターンを使用するメリット
「ハーモニックパターン」を使用するメリットとしては、「的確にトレンド転換地点を予測できるため、リスクリワードを高めることができる」という点です。
というのも、「ハーモニックパターン」を用いればフィボナッチリトレースメントから割り出した価格の転換点と想定し得るチャートパターンからトレンド予測を行えます。
元々は、フィボナッチリトレースメントだけでも相当な分析精度を誇るもの。
それに加えて、相場を各波形の連なりから一つのパターンとして分析するので、さらにトレンドを読みやすくなるのです。
例えば、上記画像ではDの「1.272」の箇所で反転して上昇しているのが分かりますね。
この際、「X-D」における フィボナッチリトレースメントの比率がであ「1.187」まで下落しています。
「1.272」付近がセオリーではありますが、ほぼ正確にトレンド転換点へ到達していると分かるでしょう。
このように、エントリーから利益確定・損切りの目安も明確かつ、優位性の高い価格帯で売買できる強みがありますよ。
慣れるまで時間を要する?ハーモニックパターンを使用する上でのデメリット
一方、「ハーモニックパターン」を使用するデメリットもあるので注意が必要。
というのも、「ハーモニックパターン」を習得しようとしても幾つかのパターンを見て学習したつもりだけでは、なかなか実践的な活用はできないでしょう。
それもそのはずで、チャートの型とフィボナッチリトレースメントにおける「意識されやすい数値」を事前に理解しておかないといけないためです。
こうしたことからも、ある一定の熟練した投資家・トレーダーが中心に愛好している手法であることも納得です。

とはいえ、もし現段階で「ハーモニックパターン」を使いこなせていなくても落ち込まないようにしてください!
筆者のおすすめとしては、
- フィボナッチリトレースメント
- エリオット波動
の2種類の手法について理解を深めることで、ハーモニックパターンで頻出のフィボナッチリトレースメントの「意識される数値」及び、エリオット波動と重複する「チャートパターン」についてしっかりマスターできるはず。
習得まで時間は要するかもしれませんが、チャートを見ただけで「パッと」環境認識できるようになります。
分析手法を身に付けているほど、客観的に相場を見て売買へ役立てられるので下記記事を参考にチェックしてみてくださいね!
【関連記事】
(応用可能)ハーモニックパターンによる分析・トレード手法を解説
次に、実践的な「ハーモニックパターン」による分析・トレード手法についてこの章では解説します。
後述しますが、「ハーモニックパターン」には数多くの種類があるため、どのパターンを覚えるべきか悩みがちです。しかし、チャートで頻出であり、基本形ともなるのは「XAリトレースメント」と「ABCDパターン」。
そのため、上記2つの見方から売買を行う方法についてここでは詳しく解説していきます。
基本の雛形パターンを覚えてしまえば、応用的なパターンに当てはめて分析できるようになるので、しっかり頭に入れていきましょう!
「XAリトレースメント」を決めて「ハーモニックパターン」の軸を定める
「ハーモニックパターン」における「XAリトレースメント」は、チャートパターン始めに描画される線のこと。
役割としては、「X-A」の区間を始点・終点としたフィボナッチリトレースメントを引くことで、他の「ABCD」と重なる反転ポイントが探れます。
見つけ方のコツとしては、直近チャートの前後で高値・安値の更新を観察しながら当てはめていく方法。
また、「X-A」は他のポイント(A-B、B-C、C-D)よりも長くなりがちなので、長期の時間軸とセットで分析を行なってみてくださいね。
*ピンク枠、「トライアングル」は除く。

ハーモニックパターン」は知名度では、他のテクニカル指標と比べると大きくはない。
けれど、一部の取引所ではチャート上にここまで紹介してきた画像チャートは「ハーモニックパターンを表示できるんだ。
その上、上記画像のように代表的なハーモニックパターンである「ABCDパターン」から「サイファーパターン」、「スリードライブパターン」など、描画ツールも豊富。
「【損しない】仮想通貨のおすすめ海外取引所【2021年最新】」では、より詳しく「ハーモニックパターン」を使用できる取引所について解説しているぞ!
「ABCDパターン」でエントリーポイントを探る
「XAリトレースメント」となる線を引いたら、「ABCDパターン」となる波形を引いていきます。
分析手順としては、「A-B」「C-D」と各価格帯からラインを引くこと。
両者の波形としては、トレンドが推進する方向に同じようなラインを引ける場合です。
ただし、感覚的に各ラインを引いてしまうと本当に「ハーモニックパターン」であるかは分かりませんよね。
今回の場合、「ハーモニックパターン」における「バタフライ」である可能性が高いため、「A-B」の戻しは「0.786」であるのがセオリー。
上記画像で確認すると、黄色枠で「0.787」と表示されていることから、ほぼ「0.786」のラインと認識できるでしょう。
こうして、「バタフライ」パターンであることを前提に「B-C」「C-D」のラインも引くことができます。
一通りのラインを引いてみると、D地点のフィボナッチリトレースメント比率が「1.272」戻しになっているのが分かります。
一般的に、「1.272」「1.618」「261.8」戻しで下落しますが、ほとんどは「1.272」戻し。
つまり、上記画像の価格帯で「売り」仕掛けを入れるのはチャンスになるのです。
「ハーモニックパターン」成立を想定した利益確定・損切りラインを決める
上記項目ではエントリーまでの分析方法と流れについて紹介しましたがが、分析に絶対はありません。
- 時間軸の誤差による分析ミス
- 想定していた「D」点を超える値動きの発生
など、含み損を抱えてしまう要因はどうしてもあります。
そのような点からも、「リスクリワード」の高い取引をしたいところ。
ただ、「ハーモニックパターン」は波形バランスと比率関係から明確なエントリーポイントを見つけられるので、損切りの目安もはっきりしやすいです。
上記画像でいえば、「D地点」を超えた場合であり、高値をさらに追う形から諦めもつきやすい価格帯。
他方、利益確定の目安としてはトレンドの一巡する「A-D」における価格帯のフィボナッチリトレースメント「0.382〜0.618」を目安としたいところ。
ちょうど「オレンジ枠」付近となり、ポジションの半分は「謙虚な利益確定」、もう半分は「積極的に利益確定」を狙う指値注文をセットしておくのが有効的ですよ。
*上記の説明による利益確定目安のフィボナッチリトレースメントは、その時のチャート形状に依存したもの。
ですから、基本はフィボナッチリトレースメントの「0.382/0.5/0.618/0.786」を参考に利益確定するのがおすすめですよ。
(多様な種類)仮想通貨FXで頻出のハーモニックパターンを解説
さて、ハーモニックパターンは過去から現在まで、株式や為替、商品、先物、仮想通貨などの市場で、よく出現するチャートパターンという観点で広まったもの。
年々、一部の「ハーモニックパターン」を信奉する人々によって検証が進んでおり、”パターン”としてその種類も増えています。
代表的な種類からマニアックな種類としては、下記の通り。
クラシックパターン | ・ガートレー・バット・バタフライ・クラブ |
変形パターン | ・オルト(変則)バット・ディープクラブ |
特殊パターン | ・5-0・スリードライブ |
新種パターン | ・サイファー・ネンスター・シャーク・ホワイトスワン・ブラックスワン |
と、頭が痛くなるほどカタカナ表記の「ハーモニックパターン」があるのです。
筆者としては、全てを覚える必要は決してないと考えており、むしろ集中的によく出現するパターンを覚えておくのが最適だと思います。
こうした考え方は、他のテクニカル分析でも同じでどれだけ知識を増やしても、チャートに当てはまらない値動きはよくあるからです。
「多種多様なハーモニックパターン(他のテクニカル分析含む)を無理くり当てはめても、素直な値動きになるのは稀。」
と、考えておくことで得意なパターンだけを分析して精度の高い売買が実現できるはずですよ!
ということで、この章では仮想通貨市場(ビットコイン)でよく出現する代表的なパターンについて
- ガートレー
- バタフライ
- バット
の「3パターン」についてご紹介しますね!
押し目・戻り高値の基本である「ガートレー」パターン
「ガートレー」は、 1935年に「H.M. Gartley’s氏」によって出版された「Profits in the StockMarket」の222ページに著されたパターンで、フィボナッチリトレースメントなどの解釈は残されていませんでした。
その後、「ガートレー」とはその後の相場師達によって検証・ルール化されたものが現在の形になっています。
特徴としては、トレンドの押し目・戻り高値として活用できるパターンで、トレンド相場に頻出。
上昇時は「W」、下降時は「M」字のような形で出現します。
ガートレー成立要素が高まる比率については、「A-B」の価格が「XA リトレースメント」の「0.618」になること。
ですが、これはあくまで目安となる数値で実際の相場では多少の誤差があるので注意。
加えて、「C-D」の価格比率は「XAリトレースメント」に対して「0.786」になる傾向もあり。
「D」地点が「XAリトレースメント」に対して「0.886」付近になると絶好の「買い場」「売り場」になりますよ。
深い押し目・戻り高値が特徴的な「バタフライ」パターン
「バタフライ」パターンは文字通り、「蝶々」が羽を開いたような形から付けられた名前。
先程の「ガートレー」と似ているのですが、「D」が「X」よりも下側(上側)にあるのが特徴的です。
このチャートパターンでは、基準となる「XAリトレースメント」に対して「A-B」の比率が「0.786」に。
また、「C-D」の比率は「B-C」に対して「1.618〜2.618」倍になる傾向があります。
ガートレーに対して比率の幅が深いことから、押し目と戻り高値もXAのラインよりも深くなるのがポイント。
「X-D」のラインでは「1.272〜1.618」になることも忘れずに覚えておきましょう。
ダブルトップ・ダブルボトムで出現しやすい?「バット」パターン
「コウモリ」の姿形に似ているチャートパターンであることから命名された「バット」は、高値・安値圏でのトレンド転換を示唆。
例えば、高値圏での「XAリトレースメント」の起点となる「X」は高値圏で推移する「D」よりも高い位置で止まります。
反対に、安値圏であれば「XAリトレースメント」の起点である「X」が安値圏で推移する「D」よりも低い位置に。
その上、「XAリトレースメント」に対する「A-B」の比率は「0.382〜0.5」倍の戻しが起きます。
さらに、「B-C」の戻しでは「A-B」の比率から「0.382〜0.886」倍の戻しで、「C」は「A」を超えないことが条件。
これらの比率が調和する比率として、「XAリトレースメント」の「0.886」倍が「D」地点の目安になることを把握しておきましょう。
既にお気づきかもしれませんが、「バット」は直近高値・安値の更新手前でトレンドが反転することから「ダブルトップ」や「ダブルボトム」と類似しているチャートパターンでもありますよ!
ハーモニックパターンによる中・長期のビットコイン市場を分析(2021年6月〜)
最後に、「ハーモニックパターン」を用いたビットコイン市場の分析をご紹介します。
今回の分析では、上昇・下落の両シナリオを想定することで、どちらの価格推移にも対応できるようにしました。
それでは、今後の大相場となる「上昇・下落シナリオ」のケースを確認していきましょう。
上記画像は、2021年6月時点におけるチャートで「バット」パターンによる分析が可能。
「XAリトレースメント」に対して、「A-B」の戻しは「0.743」ではあり、「B-C」に対して「C-D」の戻しは「1.293」となっています。
「バット」パターンで説明される数値とは若干の違いがありますが(上記の章を参照ください)、「X」に対する「D」の戻しは「0.904」であることから、セオリーの「0.886」倍とほとんど変わりません。
無論、「D」は「X」の安値を更新していないため、「バット」パターンによる上昇が考えられるでしょう。
尚、この場合における上昇の目安は「C-D」を起点としたフィボナッチリトレースメントによって、「1.618〜2.618」ラインの「45,187〜54,024ドル」付近まで上昇が意識されると考えておきましょう。
その後の値動きに関しては、上昇チャートの形成を見てから「ハーモニックパターン」に落とし込んで分析するのがベストです。
他方、中期的な下落シナリオでは「ガートレー」パターンの出現が想定されます。
このチャート画像では、「XAリトレースメント」に対して、「A-B」の戻しは「0.681」ではあり、「B-C」に対して「C-D」の戻しは「1.203」。
さらに、「D」地点は「XAリトレースメント」の「0.742」戻しであることからも、「ガートレー」である疑いは強く持てるでしょう。
こちらもセオリー通りのフィボナッチ比率ではありませんが、おおよその範囲で「ガートレー」に当てはまる形になっています。
もし、「ガートレー」による下落が発生した場合は直近の波形である「B-C」を起点とした下落によって、「1.618〜2.618」ラインの「14,992〜24,963ドル」付近まで下落するかもしれませんね。
まとめ
今回は、「ハーモニックパターン」をビットコインFXなどの取引で活用するための基礎知識から使い方、代表的な種類、そして中期・長期における価格予測を行いました。
一見、「ハーモニックパターン」は難しそうな指標ではありますが、明確なポイントで反転する場合が多いため、チャートパターンが当てはまった時の信頼感は抜群に高いもの。
乱高下の激しい仮想通貨市場では、こうしたチャートパターンを意識した「型」とフィボナッチリトレースメントを併用した心理的な価格帯を”比率”で見ることに強みが活かされます。
そういう点において、波形からのトレンド推測と比率関係からズバリ予測できるのは相場師にとって心強い手法。
使いこなすまでは大変に感じるかもしれませんが、一歩ずつ理解を深めて一つの手法として構築してみてくださいね!
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