

もしかしたら、こんな状態に陥っているかもしれません。
当記事では、「時間軸」に着目して相場の分析精度をアップできる「マルチタイムフレーム分析」について詳しく解説!
「テクニカル分析をマスターしたはずなのに、なぜ勝てない…」
ビットコインFX歴4年目に突入した筆者ですが、同じような気持ちを何度も味わった経験があります。
しかし、焦らずに「勝てるエントリー」ができるようになったのは「マルチタイムフレーム分析」を身につけたため。
記事を読めば、あなたもきっと今後のトレード手法を見直し、改善できるキッカケになるはずですよ!
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マルチタイムフレーム分析の特徴・最低限押さえたい知識について(仮想通貨・ビットコイン投資で役立つ)
早速ですが、マルチタイムフレーム分析における特徴と最低限押さえたい知識について解説します。
具体的には、
- マルチタイムフレーム分析とは?(時間軸に注目)
- いくつの時間軸を見るべきかはトレードスタイルによる
- どの時間軸を組み合わせて分析するのか?
の3つ。
基本的な特徴と使いこなすための知識をチェックしていきましょう!
マルチタイムフレーム分析とは?(時間軸に注目)
マルチタイムフレーム分析は、上位足から下位足までの各時間軸ごとで分析できる手法。
同じチャートでも、異なる時間軸で相場を観察することで「全体のトレンド」をより正確に掴めます。
これは、チャートのある相場であれば全てに有効。
もちろん、ビットコインをはじめとする仮想通貨相場でもしっかり効果を発揮する手法です。
実際に、マルチタイムフレーム分析を用いて「ビットコインチャート」を見てみましょう。
こちらのチャートは、「日足」を表示したもので、ピンク枠の値動きを分析。
高値付近のローソク足から強烈な下落をしており、現在は黄色線による下降トレンドラインまで反発しています。
日足だけを見た場合、「下降トレンドの押し目」を形成しているように見えますね。
それでは、「4時間足」チャートはどうでしょうか。
「4時間足」チャートを見ると、ピンク枠は「上昇トレンド」に転換していますね。
なぜなら、最安値付近のチャートにおける高値を上抜けしており、トレンド転換をしているため。
黄色線によって下値がサポートされており、そうした点でも上昇トレンドとして勢いがあると判断できるでしょう。
さらに、「1時間足」チャートでピンク枠部分を観察。
すると、黄色線の上昇トレンドラインを軸に「押し目」を形成しているのが分かりますね。
その上、現在のチャートでは2つ目の「押し目」を形成する可能性も高そうです。
しかし、より大きな時間軸(日足)では「下降トレンド」にありますよね。
ゆえに、1時間足・4時間足チャートは「戻り高値」の上昇反発としても分析可能。
マルチタイムフレーム分析は、時間軸の違うチャートから幾つかのシナリオを描けるのが分かりますね。
精度の高いエントリーチャンスを見つけるためにも、欠かせない考え方・分析なのです。
いくつの時間軸を見るべきかはトレードスタイルによる
マルチタイムフレーム分析は、文字通り「マルチ=複数」「タイムフレーム=時間軸」と、複数の時間軸を見て分析するもの。
複数の時間軸を見るとはいえ、実際に「いくつの時間軸」を見るべきでしょうか。
答えとしての一般的なセオリーは、「2-3つ」です。
多過ぎず、少な過ぎずのチャートであれば、頭の整理も追いつくのでおすすめ。
また、余裕がある場合は「2-3つ」以上のチャートを見て分析するのもアリ。
短期・中期・長期・超長期(10年以上)でチャートを見ておくと、より冷静に分析できますよ!
どの時間軸を組み合わせて分析するのか?
「どの時間軸」を組み合わせて分析すべきは、トレードスタイルによって違います。
ここでのトレードスタイルとは、どの時間軸を中心にトレードを行っているかということ。
超短期トレードやデイトレード、スイングトレード、長期投資など、時間軸によって様々ですね。
こうした前提を踏まえ、マルチタイムフレーム分析を活用する場合に見るべき時間軸は下記の通り。
スキャルピング(超短期売買) | 15分足 / 5分足 / 3分足 / 1分足 |
デイトレード | 日足 / 4時間足 / 1時間足 / 15分足 |
スイングトレード | 週足 / 日足 / 4時間足 / 1時間足 |
長期投資 | 年足 / 月足 / 週足 / 日足 |
*どの時間軸を選ぶかは、個人差があるので参考程度にしてください。
上記表のように、トレード・投資スタイルに伴って見るべき「時間軸」を組み合わせましょう。
他のテクニカル分析と相性抜群?マルチタイムフレーム分析を実践するステップ
この章では、「マルチタイムフレーム分析」を活用して実践的な分析ステップをご紹介します。
ステップの順序としては、
- お気に入りの「テクニカル分析」で各トレンドを把握する
- (実例)トレンド把握からマルチタイムフレーム分析を行う
- 分析精度を高めてエントリーする
であり、実際のトレードで活用できるはずです。
デイトレードを想定して「1時間-4時間」チャートで分析を深めていきます。
1.お気に入りの「テクニカル分析」で各トレンドを把握する
初めのステップとしては、お気に入りのテクニカル分析で相場を分析すること。
トレンドがどの位置にあるかを、ご自身の使用しているテクニカル分析でチェックしていきます。
例えば、下記画像では移動平均線「75日(黄色)」「150日(水色)」を表示。
すると、レンジ相場に見える1時間チャートがゴールデンクロスしています。
*ゴールデンクロスは、短期移動平均線が長期移動平均線を上抜くこと。上昇トレンド発生を期待できるサイン。
つまり、1時間足での上昇トレンド発生が期待できるのが分かりますね。
次に、「マルチタイムフレーム分析」で異なる時間軸のチャートもチェックしてみます。
2.(実例)トレンド把握からマルチタイムフレーム分析を行う
先程の続きで、1時間足以上の大きなトレンドをチェックしたいところ。
そこで、「4時間足」「日足」チャートを表示してトレンドの把握を行っていきます。
下図は4時間足チャートですが、ここまで上昇トレンドが発生してきたことを示していますね。
ピンク枠内においては、レンジ相場(三角持ち合い)になっているのが分かるでしょう。
ただし、移動平均線による「エントリーサイン」は出ていないことから、売買チャンスを見つけることはできません。
さらに、「日足」によるチャートも確認。
日足の数は減りましたが、上昇トレンドがきれいに発生しています。
加えて、黄色破線となる最高値付近でレンジ相場を形成。
レンジ相場によるボラティリティの低下、相場の停滞状態が続いていますが、そろそろ大きく動き出しそうです。
一連のマルチタイムフレーム分析から表のような観察ができます。
1時間足 | レンジ相場・上昇トレンド継続の兆しを確認(移動平均線のゴールデンクロスのため) |
4時間足 | 上昇トレンド・一服を確認 |
日足 | 上昇トレンド・一服を確認 |
これらを頭に入れておきながら、エントリーチャンスが訪れるポイントを探ってみましょう!
3.分析精度を高めてエントリーする
最後のステップは、マルチタイムフレーム分析で気づいた点から、エントリーできるポイントを検討すること。
再度、同じチャートをチェックしてみます。
1時間足チャートではレンジ相場が続いてい流も、オレンジ枠で移動平均線の「ゴールデンクロス」が発生。
まず、一つ目の買いサインが出現したと考えられますね。
また、より大きな時間軸の4時間足チャートを観察。
すると、1時間足チャートより遅れてはいますが、移動平均線によるゴールデンクロスが発生!
1時間足はレンジ相場ですが、4時間足・日足は上昇トレンドの途中でしたよね。
そんな4時間足での買いサインは、1時間足の買いサインと重複し、より強い根拠で「買いサイン」であると判断できるでしょう。
結果として、その後のチャートでは上昇トレンドが継続。
買いポジションによるトレードで、しっかり利益を狙えましたね!

マルチタイムフレーム分析と併行して取引するなら、「【損しない】仮想通貨のおすすめ海外取引所【2021年最新】」で紹介している取引所がおすすめ。
異なる時間軸のチャート画面を素早く表示でき、取引も同じ画面内で行えるから分析から取引判断までの流れが早いためだ。
また、豊富なテクニカル分析も取り揃えてあることから、高度な分析で相場を観察できる。
わざわざ別の画面でチャートを見ないで済むから、使い勝手の良さを感じるはずだぞ!
「マルチタイムフレーム分析」を「テクニカル分析」を用いる全ての人におすすめできる理由
マルチタイムフレーム分析はテクニカル分析の一つですが、他のテクニカル分析とも相性が良いです。
そもそも、テクニカル分析といえば仮想通貨相場でしっかり反応するものが多くあります。
代表的なテクニカル分析の一例としては、
- 移動平均線
- 一目均衡表
- ボリンジャーバンド
- RSI
- ストキャスティクス
- MACD
- エリオット波動
- フィボナッチリトレースメント
- プライスアクション
などです。
もしかしたら、あなたも当てはまるテクニカル分析を使用しているかもしれませんね。
ところが、これらのテクニカル分析を活用しても利益が出なかったり、負けてしまうことはありませんか?
多くの場合、その理由は一つの時間軸でしか分析・エントリー判断をしていないため。
マルチタイムフレーム分析であれば、見落としがちな「時間軸」も視野に分析を深められます。
相場を完璧に予測するのは不可能ですが、テクニカル分析にプラスして、マルチタイムフレーム分析は使いたいところ。
「1時間足を軸にトレードするならば、より大きな時間軸を複数確認する」
のように、時間軸を複数参考にして分析を深めてみてくださいね!

マルチタイムフレーム分析を知るまでは、筆者もテクニカル分析の罠にハマっていました。
「RSIの買いサインが出現したから、エントリー。」
「でも結局、続落してしまって自信のあったポジションが損切りになってしまった。」
という感じで、悔しい思いを何度もしてきました。
されど、マルチタイムフレーム分析を取り入れることで、目の前のチャートだけを根拠にトレードする機会は減るように。
一旦冷静になり、より大きな時間軸で分析する癖をつけると勝てる確率が高まりました。
勉強したテクニカル分析だけでは相場の「だまし」に引っ掛かりやすいので、注意が必要ですね!
マルチタイムフレーム分析による「ビットコイン相場」を分析(2021年8月〜)
最後に、マルチタイムフレーム分析を活用した「ビットコイン相場」の今後における予想されるシナリオをご紹介!
2021年8月時点の結論としては、「一時的な上昇は発生しているが、今後は更なる下落が発生する」に、至りました。
その理由を各時間軸のチャートを見ながら、解説しますね。
まず、日足での長期時間軸でチャートを確認します。
すると、黄色線の上昇トレンドラインが下抜け。
現在は強い反発でトレンド回帰の力があると分析できますね。
けれども、高値を更新できていない状態からも相場は弱気になっており、下降トレンドが続いていると判断できるでしょう。
一つ、時間軸を「4時間足」に切り替えて表示したチャート。
強い反発による価格上昇が発生しており、直近の下降トレンドを上方ブレイクしていますね。
これだけ見ると、「もしかしたら上昇トレンドへ転換したかも!」と考えてしまうでしょう。
ですが、黄色のラインが「だまし」であると、黄色の破線部分が戻り高値になる可能性も高いです。
いわゆるダブルトップ(二番天井)では、高値に迫るほどの上昇、あるいは高値を少し更新する上昇もあるほど。
それゆえ、さらに上昇トレンドを形成する値動きが強く起きるかもしれません。
とはいえ、高値は更新していことからも「下降トレンド」の最中であると分析できます。
最後に、1時間足のチャートを確認すると黄色線の上昇トレンドに沿って、価格推移。
黄色破線では下値を固めながら上昇しているため、一旦の上昇トレンド転換が起きたのが分かります。
しかし、直近の値動きを見ると「移動平均線」に何度もタッチしており、上昇のエネルギーが小さくなっているようです。
表でまとめると、
日足 | 下降トレンド |
4時間足 | 下降トレンド |
1時間足 | 上昇トレンド(反発か?) |
のようになり、全体としては下落基調の相場になっているのが分かるでしょう。
高値を追うような「買い」は控え、リスクヘッジやショートによるエントリーチャンスをうかがいたい相場ですね!
*今後の相場次第では、少し高値更新をしてから大暴落をするなどのシナリオも十分に考えられます。
都度、マルチタイムフレーム分析を活用したチャート観察を行ってくださいね!
まとめ
今回は、マルチタイムフレーム分析について特徴から使い方まで、詳しい解説をしました。
時間軸を変えるだけで見えてくるチャートの世界は変わり、ハッとさせられることがあります。
自分の分析に自信を持ち、強気になってしまう時ほど役立つ手法ですので、上手に取り入れたいところ。
普段のテクニカル分析に加えて、マルチタイムフレーム分析を並行活用してみてくださいね!